抗ウイルス塗料について  どんな商品があるの?

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抗ウイルス塗料とは

抗ウイルス塗料とは、塗装することにより塗膜に付着したウイルスや菌の働きを弱め不活性化させる効果のあるものです。

新型コロナウイルスの出現とともに、自宅や職場、病院や介護施設などの環境を安全なものにしたいというニーズから、感染予防対策につながる抗ウイルス塗料が注目されてきています。

抗ウイルス塗料自体は、新型コロナウイルスの出現以前より発売されていまして、当時はインフルエンザウイルスや大腸菌、ノロウイルスなどの菌やウイルスを対象としていました。

抗ウイルス塗料が新型コロナウイルスの不活性化の効果があるかというと、まだ具体的な検証結果が出てきていないメーカーが多いです。

そのため、新型コロナの不活性化に全ての抗ウイルス塗料が効果があるかという事が言い切れませんが、関西ペイントのアレスシックイのように実際に新型コロナの不活性化に効果があったという初めての実証結果が出されましたので、今後次々に実証結果が出てくるのではないかと考えられます。

新型コロナウイルスの出現によって、部屋の壁や空気をキレイにするクリーンな環境への需要が多くなっていますので、学校や公共施設など人が多く集まる場所には、抗ウイルス塗料などがますます求められていくのではないでしょうか。

ウイルス対策の仕組み

抗ウイルス塗料は、塗ることでウイルスの働きを弱めて不活性化させることができますが、これはどのようなメカニズムで行われているのでしょうか?

抗ウイルス塗料の多くは光触媒機能によってウイルスを抑制化しています。光触媒(二酸化チタンが主)に光があたると、その表面に酸化力が生まれ接触された有機物や菌などの働きを弱める効果があります。

従来の光触媒機能ですと、太陽の光(紫外線)による反応が主でしたが、抗ウイルス塗料の多くは、室内の電灯の光でも十分に光触媒機能が発揮できます。これにより室内の電灯をつけておくだけで、塗料に含まれる光触媒機能が働き、ウイルスが不活性化されていきます。

さらに、室内の空気は人の動きやエアコンなどにより常に流れています。その空気の流れにより、壁に付着した菌やウイルスがどんどん光触媒機能により不活性化され、触媒が抑制されるというメカニズムになっています。

また、光触媒機能によらない抗ウイルス塗料として、関西ペイントのアレスシックイがあります。
アレスシックイは漆喰が主成分であり、漆喰は強アルカリ性の性質を持つため、漆喰に付着した菌やウイルスは働きを弱められ不活性化していくという仕組みになっています。

主なメーカー

現在、抗ウイルス塗料は多くのメーカーより発売されていますが、代表的な商品をいくつかご紹介したいと思います。

日本ペイント

PROTECTON インテリアウォール VK-500

塗料中にVOCをほとんど含まず、超低臭・消臭・抗菌・抗ウイルス機能で室内の空気をキレイにします。

塗料に含まれる光触媒機能によってウイルス・菌の働きを抑制します。天井や壁などに塗られた塗料の表面にウイルスが付着すると、ウイルスの活性化を99.9以上抑えられることが性能試験で確認されています
 試験方法:JISR 1756 に準拠。バクテリオファージQβを使用

従来、光触媒は日光(紫外線)からの反応が主でしたが、本製品は可視光応答形光触媒により、弱い照明やLEDでも反応するため、室内でも十分に光触媒機能を活用することができます。この性能については、光触媒工業会(PIAJ)の認証を取得しています。

※PIAJ製品認証とは…光触媒工業会が、性能、利用方法等が適切であることを認めた
光触媒製品に与える製品認証です。

また、ウイルスだけでなく、ニオイや汚れなどの原因となる菌も抑制し、消臭作用を発揮します。室内汚染物質のホルムアルデヒド、アセトアルデヒドも化学的に吸着して除去します。

用途適用下地
マンション、戸建、教育施設、商業施設、病院などの建物内部壁面にビニルクロス、コンクリート、モルタル、プラスターボードなど

大日本塗料

抗菌・抗ウイルス室内用水性塗料COZY PACK Air(コージーパックエアー)

超低臭水性塗料「COZY PACK」をベースにして、抗菌・抗ウイルス効果を付与して新製品として発売されました。光触媒機能によって菌やウイルスを短時間で不活性化させる「抗菌・抗ウイルス」機能、空気中の臭いや分解する「消臭、空気清浄」機能などの特徴があります。

塗料に配合される光触媒機能(チタン系化合物)は紫外線のみならず蛍光灯の光によっても、効果が発揮されます。チタン系化合物が塗膜表面に存在していれば、抗ウイルス性の効果は永久に持続されます。
通常の状態(壁)であれば、手が触れてウイルスが壁に付着すると、一般的には2~4日間その面に残り活性化するとされますが、ノロウイルス等の既存ウイルスが塗装面に付着した場合には4時間後に、各種菌類も8時間後に99.9%不活性化させる効果を有することが公的機関で実証されています。
(実験ではノロウイルスの代替として一般に使用されているバクテリオファージで性能検証を行う)
特に人の手が触れるような腰壁、廊下壁等の箇所に塗装することで、接触感染を防ぎます。

対象施設適用下地
住宅、飲食店、美容院、ホテル、教育施設、医療・介護施設などビニルクロス、コンクリート、モルタル、プラスターボードなど

イサム塗料

内装用光触媒塗料 エアフレッシュ

「エアフレッシュ」はハイブリッド型光触媒を用いた内装用塗料で、消臭性、抗菌性、抗カビ性に優れています。

塗料に配合されている光触媒(酸化チタン)が、太陽や蛍光灯に含まれる紫外線に当たることで、その表面に強力な酸化力が生まれ、接触してくる有機化合物や細菌などの有害物質を分解し、抑制効果が発揮されます。

大腸菌やインフルエンザウイルスに対しても抑制効果を発揮されることが試験によって検証されています。
夜間などの光量不足の場においても、Ag(銀)イオンが機能し抗菌効果を補っています。

また、特に消臭機能に優れ、特殊吸着材の働きによって塗膜面が室内の嫌なニオイ(悪臭原因物質)を吸着します

用途適用下地
医療・福祉施設、教育施設や店舗、オフィスなど。コンクリート・ボード等の内壁、ビニルクロス、塗装仕上面

関西ペイント

アレスシックイ

アレスシックイは光触媒機能でなく、塗料に配合された漆喰の働きにより菌やウイルスの働きを抑制します。漆喰の主成分である強アルカリ性の消石灰が菌やウイルスに直接作用し、働きを弱め発生や増殖を防ぎます。

また、シックハウスの原因であるホルムアルデヒドも吸着・分解するので子供や高齢の方がいる場所でも活躍します。漆喰の働きによって部屋の空間を清潔安全に保ちます。

接触感染対策シート・テープ|貼るだけカンタンウイルス対策

また、関西ペイントは塗料だけでなく、接触感染対策として接触観戦対策シートやテープも発売しております。
アレスシックイと同様に、シートやテープにも漆喰の機能が活かされており、漆喰の主成分である強アルカリ性の消石灰が菌やウイルスの働きを弱め、増殖しにくい状態にします。

ドアノブや手すりなど普段よく手が触れる場所に貼ることで、手に付着したウイルスからの接触感染の防止に役立ちます。効果継続期間は約6カ月になります。

用途接着可能な素材
病院や介護施設、教育施設ドアノブ、手すり、ベッドのサイドレールなどにステンレス・木・アクリル・塩ビ・ガラスなど。

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